7年目

早いもので

あの日から7年が経ちました。


あの日は仕事の真っ最中で。

1度目の揺れの後

停電し 崩れ落ちた棚の荷物

静かに舞うホコリが 窓からの光に照らされて

スローモーションのように。

その静かな光景が目に焼き付いています。

会社はクローズ。
帰りの車の中ではいつも陽気なDJが
ワンオクターブ低い声で淡々と
津波や交通情報などを伝えるとともに
繰り返し発生する 余震への注意喚起を行なっていたと記憶しています。

一人暮らしの家に着くと
貝殻のディスプレイに使っていたガラス瓶が床で割れていた。

テレビからは津波の映像が流れ
時間を追うごとに
行方不明者の人数が増えて行った。


今思うと
余震のなか よくぞ一人でその晩を過ごしたなと思う。
ずっと一人で過ごした。


震災翌々日はなぜか
デパートに

化粧品を買いに行った。

あの、混乱した交通状態で
どうやって 成田から千葉まで行けたんだろう?


その時から
何か 私の中の何かが崩れて行ってたんだと思います。

おかしな行動をとっていた。



あの地震は
日本中全ての人に 何か大きな作用をもたらすものだったと思っています。


それはもう
人生がひっくり返るほどの強烈さで。


私もそうで。
(結局その後一年間は 心療内科に通った)



私たちはもしかして
7年という時を経て
もうそれらを 「消化した」と思っている部分もあるかもしれません。


けれど
記憶は 細胞ひとつひとつに刻まれるといいます。

忘れるべきかそうでないかは分からないけど
この身体と心全てが
覚えているあの経験。


その意味を

無視せずに

見つめて行く必要はあるのではないでしょうか。



あの日をきっかけに
無念にもこの世を去らなくてはならなかった全ての命に
黙とうを捧げたいと思います。


生かされた
自分の命を
少しでもこの世の中で 役立たせたいと
心から思います。